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                                                       2016..8月更新

Q3 アセトアミノフェンは内服がよいか、坐薬がよいか?(解熱剤として使用する場合)
回答
 
早く解熱したい場合は、内服を勧めます。
内服が困難なこどもの場合は坐薬の使用を勧めます。


解説

内服と坐薬の薬物グラフより、アセトアミノフェン内服では服用15分位から血中濃度が上がり30分後には最高値になるのに対し、坐剤の方は30分後ごろから上がり始め2時間後に最高血中濃度に達するためです。

上記の表はカロナール内服(錠剤、細粒、シロップ)とアンヒバ坐剤の薬物動態を表にまとめたものです。内服の場合、Tmaxは約1時間に対し、坐剤の場合は1.6時間です。これは坐剤に使用されている油脂性基剤が直腸内で融解するまで時間を要するためだと推測されます。
半減期に関しては共に2.5時間前後と大きな差はありません。
これにより双方の効果的な差はないものと考えます。
 
追記でイブプロフェンの内服、坐剤で効果の差に関する資料がありましたので添付しておきます。

小児の解熱はアセトアミノフェンが主流ですが、内服と坐薬の差を示す一つの資料になるかと思います。
結論からいえば「ほとんど差はない」ということでしょうか。