眼科COM TOP に戻る
                                                                                              2016.10月更新

点眼薬の使用について Q2
質問 

目薬を2種類以上点眼するときの注意事項は?
回答

点眼剤が2種類以上ある場合は、後の点眼剤は少なくとも5分以上あけてから点眼してください。

眼軟膏同士の場合は、十分に溶解してから点眼してください

解説


一般に、最初に点眼した薬物は後に点眼した液によって洗い流されます。

このため個々の点眼液は他の点眼液の影響を受けないようにできるだけ間隔をあけて点眼することが必要で、5分以上の点眼間隔をあけることで相互の影響はほとんどなくなると考えられています。


眼軟膏が2剤以上あるときは点眼液のときとは異なり、後続の眼軟膏による洗い流しの影響は少ないと考えられます。


したがって、眼軟膏を2種類以上併用する際は、先に点眼した眼軟膏の違和感がなくなる程度に十分に溶解してから別の眼軟膏を点眼するのが望ましい。

ウサギに対してピロカルピン点眼液と生理食塩液をさまざまな間隔で点眼し、先に使用したピロカルピンの房水内濃度に及ぼす影響をみた報告があります。

この実験では、ピロカルピン点眼後1、2分後に生理食塩液を点眼した結果、ピロカルピンの房水内濃度は生理食塩液を点眼しないときに比べ、それぞれ約25、50、60%で推移しています。



一方、5分の間隔をあけて生理食塩液を点眼した結果、生理食塩液を点眼しないときとほぼ同じ推移になったとされています。

このことから、通常、点眼間隔を5分以上あけるのが良いと考えられています。